生活習慣と学力

S.Tでは毎週、保護者の方にメールマガジンを配信しています。今回は、S.Tメールマガジン第42号の記事の一部を掲載致します。

『生活習慣と学力』
こどもの頃は、「身だしなみはしっかりとしなさい」とか、「字は丁寧に書きなさい」とか、「整理整頓をしなさい」と言われ続け、「大人ってどうしてこんなに口うるさいんだろう?」と、思っていました。しかし、その大切さに気づかされた出来事がありました。それは、大学のゼミ合宿で、タイに行ったときのことです。
生ゴミがそこら中に散乱しており、アスファルトには穴があいていて、フタのないマンホールや、倒れた道路標識、切れて垂れ下がった電線、信じられないほど汚い公衆トイレ、電話機が盗まれた電話ボックス、椅子が壊れていて座れないバス、などなど、かなりの衝撃を受けました。そして、街のいたるところで発生している異臭や、ゴキブリやネズミの多さには驚かされました。タイの人たちは街がこんなに散らかっていても気にならないのかと不思議に思いました。しかし、数日が過ぎると、そのような汚い環境に慣れてしまい、特に気にならなくなってしまいました。
2週間ほど滞在し、日本に帰って来たとき、日本の素晴らしさを実感しました。ゴミは少なく、道路や標識は整備されており、異臭もしません。交通機関には秩序があり、電話ボックスの中にはきちんと電話機があります。
ある日系企業が、初めてアジアの発展途上国に工場を作ったときの話です。
その工場は生産スピードが遅く、不良品が多く出ていたそうです。その工場で働く従業員には、日本の工場の従業員と同じように訓練を施しており、日本の本社の担当者は、「なぜこれほど生産性が低いのか」と、不思議に思っていました。そしてある日、その工場を見学に行きました。そこで目の当たりにしたのは、ゴミがそこら中に散らばり、生産に必要な部品が雑然と置かれ、だらしない服装で仕事に取り組む従業員の姿でした。
びっくりした担当者は、全従業員を集め、全員に工場の掃除をさせました。在庫品はきちんと整理して保管するように指示し、ゴミは絶対に工場に捨てさせないようにしました。日本では小学生でもできるようなことが、その国の大人たちはできていなかったのです。
最初、工場の従業員たちは、なぜこれほど日本人が整理整頓にこだわるのか理解できず、掃除や整理整頓をさせられることに不満を持ったそうです。しかし、毎日工場を掃除し、整理整頓を徹底した結果、その工場の生産スピードは大きく向上し、不良品も少なくなりました。従業員自身も、以前の汚い環境より、今の環境の方が、質の高い仕事ができることに気がつきました。
勉強についてもまったく同じことが言えます。
計算ミスや忘れ物が多い人は、不良品の多い工場と同じです。「散らかっていても勉強はできる」「ノートが汚くても問題ない」と言うのは、さきほどの工場の従業員とまったく同じレベルです。字が雑であれば、計算ミスは確実に増えます。部屋が散らかっていれば、忘れ物や、物をなくすことが多くなります。工場のきれいさと生産性に大きな関係があるのと同じで、部屋やノートのきれいさと学力には大きな関係があります。
部屋が散らかっていたり、ノートが汚かったり、忘れ物が多い人は、それを改善するだけで成績が上がります。たったそれだけで成績が上がるのですから、これほど簡単なことはありません。まずは3ヶ月間、部屋と机のまわり、かばんの中を整理し、ノートにはていねいな字で書くように心がけ、それが習慣になれば、テストの点数も、偏差値も、必ず上昇します。これは私が個人的に思っていることではなく、世界の先進国と発展途上国が、実際に経験してきた事実なのです。

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